第一巻
第二十首
詠み人:額田王恋歌

あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖ふる
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恋歌
現代語訳
あかね色に照る紫草の野を通り、神聖な標野を通って──野の番人は見ていないだろうか、あなたが袖を振るのを。
シチュエーション
「あかねさす」は紫にかかる枕詞。「紫野」「標野」はいずれも神聖な場所で、勝手に立ち入ることが禁じられていた。「袖を振る」は恋人への合図や別れのしぐさを意味する。禁足地である標野で袖を振るという行為に、恋の大胆さと切なさがにじむ。額田王が大海人皇子(のちの天武天皇)に向けて詠んだとされる恋の歌。
原文
走過染著茜草的紫野,穿越神聖的標野——野守難道沒看見嗎?你揮動著衣袖的模樣。
歌に登場するもの袖振る

古来袖を振る動作には相手の「魂」を呼び寄せる呪術的な力があると信じられていました。遠くへ去っていく人の魂が離れないよう、あるいは無事に帰ってくるようにと、魂を揺さぶり引き寄せる「魂振り(たまふり)」の儀式が、別れの際のしぐさとして定着しました。
額田王ゆかりの地
明日香村周辺の宿を探す(楽天トラベル)関連画像Wikimedia Commons
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